頭頸部癌は6番目に多い癌であり、全癌の約5%を占める。近年の治療方法の進歩にも関わらず、頭頸部扁平上皮癌の全生存率は数十年大きく変化していない。今回、我々が注目着目したp53は以前より腫瘍関連抗原として免疫治療の標的とされてきた。さらにリン酸化は悪性化の指標とされており、リン酸化p53を標的とすることによりさらなる腫瘍選択性が期待される。 悪性腫瘍に対するペプチドワクチン療法は、免疫チェックポイント阻害薬などに比較すると安価であり、副作用が少ない。実臨床で使用されているシスプラチンとリン酸化p53を標的としたペプチドワクチン療法の併用は、早期に臨床応用が可能な治療法と成り得ることが示唆された。
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