研究課題/領域番号 |
17K16923
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内 龍太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80780840)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腫瘍内不均一性 / 頭頚部癌 / 癌ゲノム |
研究実績の概要 |
腫瘍内不均一性は癌の難治性に寄与していると考えられている。本研究では解明の進んでいない頭頚部扁平上皮癌について、ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトームレベルそれぞれの腫瘍内不均一性を明らかにすること及び、その解析結果から頭頚部扁平上皮癌のクローン進化の一端を明らかにすることを目的としている。 まずは核酸抽出の予備実験のため、キットを用いて、一か所標本採取のみが行えた頭頚部扁平上皮癌から核酸抽出を行いクオリティの確認を行った。また随時、症例登録、検体集積を進めており、①頭頚部扁平上皮癌であり、②複数個所からの検体採取で診断に影響を与えず、③前治療による修飾が加わらないという条件のもと症例集積を行った。その結果、主に進行舌癌症例が該当しに対して、マルチサンプリングによる検体採取を行っている。舌癌は2018年から適応が開始された頭頚部癌取り扱い規約によって深達度がT分類に用いられることとなった。そのため、本研究が症例のステージング、治療に影響を与えないためにも、画像上明らかに10㎜以上の深達度を持ち、また表層側へも隆起している症例を選ぶ必要があったため注意を要した。 引き続き症例集積を行い、ある程度の標本数がそろい次第、抽出したDNAをゲノムシークエンスおよびメチル化アレイに提出し、またRNAについてはトランスクリプトーム解析を行うことで、その異常を明らかにする。また一症例内の異常について各部位間の比較を行うことによって不均一性について明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭頚部癌取り扱い規約の改定に伴い、症例集積に対して慎重になったため、症例集積が想定よりも集積されず、ゲノム解析開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り、随時シークエンスによるゲノム解析を行う。症例集積が進まない場合は関連他施設に協力をお願いし症例集積を行うことを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例集積が遅れた結果、最も使用額がかかる予定であった、ゲノム・エピゲノム解析への提出ができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度分とあわせて、提出する予定である。
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