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2021 年度 実績報告書

Wntシグナルを介した聴神経再生の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16925
研究機関九州大学

研究代表者

野田 哲平  九州大学, 医学研究院, 助教 (20707179)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード聴神経 / 有毛細胞
研究実績の概要

WntシグナルのGFPレポーターマウスであるWntVISを用いて、内耳凍結切片を作成し詳細な解析を行った。Wntシグナルの活性は、蝸牛有毛細胞では観察されなかったのに対し、前庭の有毛細胞では胎生期から成体まで持続的に観察された。蝸牛支持細胞の一部でも、胎生期から成体にわたり活性が持続的にみられた。これらの細胞は蝸牛の幹細胞の候補であり、今後も基盤研究(C)資金により解析を継続する。 ラセン神経節ではE15からP30までの解析をこれまで行ってきた。ラセン神経節ニューロンではP7まではWntシグナル活性がみられるものの、神経が成熟するP14以降では活性が失われていることが確認できた。一方でラセン神経節グリア細胞であるシュワン細胞において、若年マウスではWntシグナル活性を認めないが、成体になると一部の細胞でGFP陽性となった。ラセン神経節ニューロンが幹細胞として休眠している可能性があり、解析を続ける。
また、ラセン神経節のType 1ニューロンのみを選択的に阻害するOuabainを経正円窓的に投与し3日目に解剖したマウス内耳切片において、基底回転のラセン神経節ニューロンの著明な減少と、残存ニューロンに強いGFP蛍光を認め、Wntシグナルが細胞障害後に賦活化されうることが示された。
また本研究と関連して、Ouabainの鼓室内投与によりラセン神経節細胞障害を起こしたマウスでは、神経栄養因子とバルプロ酸を投与した場合に神経が増殖し、わずかながら聴力改善がみられることを明らかにできた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Growth factors with valproic acid restore injury-impaired hearing by promoting neuronal regeneration2021

    • 著者名/発表者名
      Wakizono Takahiro、Nakashima Hideyuki、Yasui Tetsuro、Noda Teppei、Aoyagi Kei、Okada Kanako、Yamada Yasuhiro、Nakagawa Takashi、Nakashima Kinichi
    • 雑誌名

      JCI Insight

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.1172/jci.insight.139171

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス蝸牛と前庭におけるWntシグナルの時空間的解析2021

    • 著者名/発表者名
      野田哲平、脇園貴裕、青栁圭、安井徹郎、久保田万理恵、中川尚志
    • 学会等名
      第31回日本耳科学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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