研究課題/領域番号 |
17K16933
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
今泉 光雅 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30554422)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 足場材料 / 成長因子 / iPS細胞 / 声帯瘢痕 |
研究実績の概要 |
喉頭組織の再生に有用な移植材料、およびiPS細胞を中心とした移植細胞・組織の実用化に向けて研究を行う。生体適合性のInjectableなゲルを骨格とし細胞の進入・生着に適した足場材料(スキャフォールド)を作製、研究する。次に、声帯の損傷後の再生促進を意図し、iPS細胞の培養法を確立する。今回は声帯損傷モデルに生体適合性足場材料および成長因子を投与し、効果を喉頭内視鏡検査を用いて観察する。不十分であると判定した場合は、iPS細胞を移植し、声帯組織を再生する技術を開発する。 今年度の実績、成果 ①iPS細胞中心とした細胞培養:理化学研究所バイオリソースセンターより購入したiPS細胞をフィーダー細胞上またはフィーダー細胞フリーでの状態で培養し、最も実験に適した培養方法を確認した。 ②足場材料の開発:生体適合性の足場材料として、Injectableなゲルを数種類準備し比較を行った。術後声帯の再生を行う上で、成長因子や細胞の保持性、声帯の局注に適した最適な条件を研究した。 ③声帯瘢痕モデルの開発:全身麻酔下に開口器を使用して、ラット、ヌードラットもしくはウサギの声帯を露出させ、内視鏡観察下に声帯損傷モデルを作成した。前項で得られた足場材料または成長因子を損傷部及び正常声帯に移植し、損傷部位における足場材料の適合性、異物反応の有無や、成長因子の効果を損傷組織と正常組織で比較した。結果、足場材料および成長因子の投与により、声帯瘢痕の予防が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
綿密に研究計画を立てているため、当初の予定通り研究は順調に伸展している。
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今後の研究の推進方策 |
綿密に研究計画立て、さらに研究の実行力を有しているため、研究を推進するに当たって大きな課題は認めず、当初の予定通り研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 今年度は、適切に研究を遂行するため、海外含めた学術集会で知識を得ることおよび、基礎的な実験を行うことを主たる目的としたため、物品費を予定より使用しない結果となった。そのため少額ながら、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 今年度の基礎的な準備や結果を踏まえて、データの解析、必要時は更なる追加実験の実施、および研究成果を英文誌に投稿することを計画している。
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