音声障害は豊かな生活環境の構築において大きな問題となる。仕事上声を使用する人の割合は増加しており、労働人口の約41%が声を必要とする職業に従事し、そのうち3分の1以上が何かしらの音声障害の症状を有していることが報告されている。声帯瘢痕に伴う音声障害は術後に生じ、瘢痕の形成に伴い声帯粘膜の振動が阻害され、その結果音声障害が生じる。動物実験や臨床応用を含めて、声帯の瘢痕に対する治療は決定的な治療法がないのが現状である。本研究成果を臨床応用することにより、治療困難な声帯瘢痕に対して新しい選択肢となり得ると考えられ、音声障害を有する労働者を減少させることが可能でありより豊かな社会生活に貢献できる。
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