研究課題/領域番号 |
17K16936
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
荒井 康裕 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90614818)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 唾液腺癌 / オルガノイド / 三次元培養 / ヒト唾液腺癌細胞株 |
研究実績の概要 |
現在,4例の唾液腺腺様嚢胞癌の検体を用いて3次元培養を行い,癌組織から癌細胞株作成を試みている.癌細胞を取り出し,10回以上の継代は可能となってきているが,培養した癌細胞を移植して腫瘍形成を認めるには至っていない. また,癌組織を免疫不全マウスに直接移植し,腺様嚢胞癌のPDX(Patient-Derived Xenograft)を作製し,その腫瘍から癌細胞を取り出し3次元培養することにも試みており,他癌腫同様にCyasticな変化を認める三次元培養に成功している.今後この細胞株も免疫不全マウスに移植に腫瘍形成可能か確認予定である. また,これまでに培養可能であった癌細胞はHUVECやhMSCを用いてヒト唾液腺癌オルガノイドを作製可能なことが確認できている.ただし,作成したヒト唾液腺癌オルガノイドもマウスに移植しても,そのまま腫瘍としての定着が得られていないため,癌細胞採取方法,培養方法,移植方法を再検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
癌組織から癌細胞の分離,癌細胞の三次元培養,継代については安定的に行うことができてきている.また,癌オルガノイドの作成も可能であることが確認できている.もうすこし検体数が増えればさらに進めることができるが,もともと年3件程度お想定していたため,おおむね当初の予定通りといえる.
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今後の研究の推進方策 |
癌細胞の三次元培養に用いる条件(培地のサイトカインや継代時の処理方法等)の微調整で,唾液腺癌でも他癌腫と同様にマトリゲル内でCysticな変化が生じることがわかり,これを安定的に行うことで,マウスへ移植した癌細胞が生着する可能性が高まると考えている.今後も培養法の検討を行い,腫瘍形成が確認できたら,そのゼノグラフトをもちいて薬剤評価系としてレンバチニブ等の抗がん剤を評価系を構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた試薬やキットが想定より安価に購入することができたため次年度使用額が生じた。薬剤評価系構築のために,癌細胞の培養継続による凍結癌細胞ストック作成と,ヒト唾液腺癌オルガノイドの作成,ヒト唾液腺癌ゼノグラフトの作成を行う計画である。
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