乳幼児から2歳までは自身の免疫機構が未熟であり、この時期に急性中耳炎を含めた感染症が難治化、重症化することが問題となる。一方、急性中耳炎の起炎菌である肺炎球菌は様々な病原因子により薬剤耐性を獲得し再増殖により容易に再発する状態となる。本研究では、低年齢患児における肺炎球菌対する宿主の特異的抗体価と、貪食細胞の殺菌を誘導する機能を評価した。免疫グロブリン製剤による莢膜の薄い肺炎球菌に対する貪食作用が容易であることが判明し、低年齢患児に対しては肺炎球菌が侵入、付着した早い段階で免疫グロブリンを投与するとさらに有効であることが推測され、難治性中耳炎の治療方法に対して貢献できると考えられた。
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