骨吸収と耳小骨・聴覚の関連性は先行研究にて示されている。破骨細胞の活性や分布は中耳組織の骨化のタイミングと関連することから、我々はまず、健常マウスの耳小骨の形成について評価し、耳小骨の形成機序を解明した。また、人工中耳炎モデルマウスの耳小骨や内耳骨にて、破骨細胞の発現を評価し、健常マウスモデルと比較検討を行った。 最後に内耳に感染が浸潤する機序について検討した。内耳への感染伝搬に関与するリポポリサッカライド(LPS)は正円窓膜において炎症を惹起させ、薬剤の内耳到達促進につながる透過性の亢進をもたらすと考えられた。これらの結果をもとに、内耳への感染波及と聴力に影響する因子を、解析しえた。
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