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2017 年度 実施状況報告書

篩状板をターゲットとした緑内障病態研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K16957
研究機関東北大学

研究代表者

面高 宗子  東北大学, 医学系研究科, 助教 (80569583)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード緑内障 / 光干渉断層計 / 進行判定 / 篩状板
研究実績の概要

1.OCT(光干渉断層計)構造パラメータの進行評価方法の確立
他覚的検査であるOCTを用い、鋭敏な進行判定方法を確立するために、網膜神経線維の走行を考慮した黄斑マップのセクターを作成した。乳頭周囲網膜神経線維層厚を12分割し、10x10のグリッドの黄斑マップの各グリッドにおいて、最も相関の高い箇所を調べ、セクターを設定した。黄斑マップでは、網膜神経線維層と網膜神経節細胞・内網状層について検討した。2年以上経過があり、OCTを5回以上測定した緑内障眼で検討したところ、黄斑マップ全体よりも、セクターで見るほうが、約7倍のスピードで進行していた。網膜神経線維の走行を考慮した黄斑マップのセクターを作成することにより、進行をより鋭敏に検出できた(PLOS ONE.2017)。
2.篩状板内の孔の抽出
篩状板孔の抽出のためには良好な画像が必要不可欠であるため、OCTにて4回スキャン施行した画像を重ね合わせ、良好な画像を用いた。篩状板孔が観察できる部位を篩状板と定義し、手動のクリックにて、篩状板部のみをまず描出した。その後、篩状板孔を垂直方向にトレースし三次元構造物として抽出するために、一断面ずつ篩状板孔を手動で円状にクリックを繰り返し、上下にスクロールしながら、1本ずつ篩状板孔を抽出した。正常眼と緑内障眼、各症例ごとに、約20本ずつ手動クリックを検討した。その後、抽出した構造物の定量方法として、体積や断面積、湾曲や蛇行率などの定量化を試みた。体積や断面積は、正常眼よりも緑内障眼において有意に小さいことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

篩状板孔の評価における手動クリックには長時間を要し、眼圧や角膜厚、視神経乳頭陥凹や眼血流などのパラメータや血液や尿から得られるバイオマーカーとの関連との検討に時間を要することが分かった。抽出方法や症例選択や解析方法を再度検証する必要がある。

今後の研究の推進方策

(1)緑内障の構造進行を定量的にとらえる手法の確立
OCT の黄斑セクターを網膜神経線維層厚(RNFLT)など網膜内層厚ごとに詳細に設定したセクターを用いて、経時変化を観察する症例を選別し、前向き観察研究にてバリデーションを行う。
(2)篩状板孔の三次元解析抽出と定量方法の確立
篩状板孔のトレース方法を行い、三次元抽出された篩状板孔のパラメータを設定し、正常と緑内障で差のあるパラメータをさらに詳細に調べる。OCT の構造進行判定の結果をよく反映する篩状板孔パラメータを同定する。
(3)生体バイオマーカーと篩状板パラメータの関連解析
生体サンプルの収集を継続し、複数のサンプルが蓄積された後に、解析を開始する。生体サンプルの篩状板孔パラメータに関連するバイオマーカーを総合的に解析する。

次年度使用額が生じた理由

生体バイオマーカーの収集と解析の着手にやや遅れがあり、次年度使用額が生じた。
次年度、生体バイオマーカーの収集と解析を進めていく予定であるため、平成30年度の助成金とあわせて使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Usefulness of axonal tract-dependent OCT macular sectors for evaluating structural change in normal-tension glaucoma2017

    • 著者名/発表者名
      Kazuko Omodaka, Tsutomu Kikawa, Yukihiro Shiga, Satoru Tsuda, Yu Yokoyama, Haruka Sato, Junko Ohuchi, Akiko Matsumoto, Hidetoshi Takahashi, Masahiro Akiba, Toru Nakazawa
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 10 ページ: e0185649

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0185649

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-12-17  

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