水晶体自発蛍光値(以下Lens-AF)と前房水酸化還元電位(以下ORP)は、いずれも糖尿病群が対照群に比べ有意に高値であり、網膜症の重症度においても統計学的に有意な相関を認めた。Lens-FRと前房水ORPとの間には有意な相関は認めなかった。 前房水VEGF濃度は糖尿病網膜症の重症度と強い相関を認め、前房水ORPとVEGF濃度との間にも強い相関関係を認めたが、Lens-FRとVEGF濃度との間には有意な相関は認めなかった。 眼内酸化ストレスを反映する前房水ORPおよび終末糖化産物の蓄積を反映する水晶体自発蛍光値は、それぞれ独立した糖尿病罹病期間と網膜症の活動性を評価する指標となる可能性が示された。
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