研究課題
本研究は、iPS 細胞を用いたクリスタリン網膜症の病態解明と薬物治療・遺伝子治療の開発を目的としており、以下の点を明らかにした。①iPS 由来網膜色素上皮細胞を用いた形態・機能解析:京都大学iPS 細胞研究所の協力のもと、4 人のクリスタリン網膜症患者および4 人の正常対象者から皮膚採取を行いiPS 細胞を樹立し、網膜色素上皮細胞への分化を行った。患者iPS 由来網膜色素上皮細胞では健常人由来の細胞に比べ、細胞が大型で中に空胞形成を伴っていた。②. 患者iPS 由来網膜色素上皮細胞を用いたステロール代謝解析:GC-MS を用いて、患者由来および正常者由来の網膜色素上皮細胞間でのステロール代謝物を検討したが、両者で差を認めなかった。③. 患者iPS 由来網膜色素上皮細胞に対するコレステロール蓄積阻害剤の効果の検討:患者iPS由来の網膜色素上皮細胞を用いて、HPBCDの有効性を評価したところ、HPBCDには細胞の形態および細胞内脂質を改善させる効果をみとめることが明らかになった。
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Proc Natl Acad Sci U S A
巻: 115 ページ: 3936-3941
doi: 10.1073/pnas.1717338115.