本研究の目的はアレルギー性結膜炎におけるPGD2の炎症に伴う掻痒感の分子メカニズムの解明を行い、アレルギー性結膜炎の炎症に基づいた掻痒感に対する新たな治療薬の開発を行う。 培養神経細胞であるラット副腎褐色細胞腫由来のPC12を用いて、NGF存在下、非存在下でPGD2、ヒスタミン、エピナスチンで刺激後の神経突起伸張作用を検討したところ、NGF存在下でのみPGD2は濃度依存性に神経突起伸張作用を有した。 NGF非存在下ではすべての薬剤で神経突起伸張作用はなく、NGF存在下でもエピナスチン、ヒスタミンには神経突起伸張作用は有さなかった。 それぞれの相互作用については、NGF存在下でヒスタミンとPGD2同時刺激において、PGD2単独よりも神経突起伸張作用を有しており、ヒスタミンとPGD2の相互作用はあると考えられた。
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