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2017 年度 実施状況報告書

網膜・視神経の神経保護と軸索再生研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K16971
研究機関徳島大学

研究代表者

仙波 賢太郎  徳島大学, 病院, 助教 (10745748)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード正常眼圧緑内障 / 神経保護 / Edaravone
研究実績の概要

日本における最大の失明原因は緑内障であり、40歳以上の有病率は約6%にのぼる。緑内障は眼圧上昇により網膜神経節細胞死とその軸索である視神経の変性が起き、結果的に回復不能な視野障害に陥るものと考えられてきた。しかし、本邦では眼圧が正常であるにもかかわらず緑内障症状を発症する正常眼圧緑内障(NTG)が全体の約7割を占めることが判明している。また、この中には十分な眼圧降下が得られても病期が進行する症例もある。今後の緑内障治療においては眼圧以外の病態寄与因子の解明や新たな神経保護療法の開発が求められる状況にある。
本研究ではNTGの疾患モデル動物と、非侵襲的な網膜観察法を組み合わせることにより、既存薬を含めた神経保護薬の探索を行う。候補薬については培養細胞における遺伝子や蛋白発現量の変化を、マイクロアレイや生化学的な手法で調べることにより選定する。投与後の網膜変性の状態を光干渉断層計や多局所網膜電図を利用して経時的に観察することにより、客観的なデータの取得を行う。また、Dock3と呼ばれるグアニンヌクレオチド交換因子には視神経損傷後の軸索再生を促進する効果だけでなく、RGC保護効果も報告されている。現在はDock3のアデノウイルスベクターが使用可能となっており、視神経挫滅後の軸索再生についてDock3による遺伝子治療効果を検討する。選定された候補薬による相乗効果を含めて、できるだけ視神経再生が促進しやすい条件を探索する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フリーラジカルスカベンジャーであるEdaravoneにおいてNTGモデル動物に対する網膜神経節細胞保護効果を確認している。脳梗塞と筋萎縮性側索硬化症の治療に用いられるedaravoneはフリーラジカルを直接不活化することにより、神経保護作用を発揮すると考えられている。NTGモデル動物であるEAAC1欠損マウスにedaravoneの腹腔内投与を行ったところ網膜神経節細胞死に加えて視機能障害の進行抑制が確認された。

今後の研究の推進方策

EdaravoneのEAAC1欠損マウスに対する神経保護効果の作用機序を明らかにしていく予定である。
その他の候補薬についても検索を進めていく予定である。
また、視神経挫滅モデルにDock3ウイルスベクターを投与し視神経軸索再生や網膜神経節細胞保護効果を確認していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

3月に納品となったが4月に支払いとなったため次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Diurnal variations in luminal and stromal areas of choroid in normal eyes.2017

    • 著者名/発表者名
      Kinoshita T, Mitamura Y, Shinomiya K, Egawa M, Iwata A, Fujihara A, Ogushi Y, Semba K, Akaiwa K, Uchino E, Sonoda S, Sakamoto T
    • 雑誌名

      Br J Ophthalmol

      巻: 101 ページ: 360-364

    • DOI

      10.1136/bjophthalmol-2016-308594.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effect of optical correction on subfoveal choroidal thickness in children with anisohypermetropic amblyopia.2017

    • 著者名/発表者名
      Nishi T, Ueda T, Mizusawa Y, Semba K, Shinomiya K, Mitamura Y, Sakamoto T, Ogata N
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 12 ページ: e0189735

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0189735.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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