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2018 年度 実施状況報告書

薬理、光遺伝学的手法を絡めた「泣く」の生体イメージング解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K16983
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

今田 敏博  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (80790360)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード二光子顕微鏡 / 薬理遺伝学 / 生体カルシウムイメージング / 涙腺 / 涙
研究実績の概要

「泣く」とは、脳-涙腺機能の連動した活動により引き起こされるヒト固有の生理現象である。涙液分泌は、情動および角膜からの痛覚刺激により、脳延髄に位置する涙液分泌中枢の興奮により引き起こされる。「泣く」のメカニズム解明に向け、生体において、涙液分泌を支配する脳神経回路活動時の涙腺活動を可視化しうる実験系の確立を目指す。
平成30年度は、平成29年度までに確立した、生体涙腺活動イメージング法を用い、角膜侵害受容器の作動薬の一種であるカプサイシン点眼時の涙液分泌変動-生体涙腺活動の相関解析を実施した。生体涙腺活動イメージングには、涙腺筋上皮細胞および、腺房細胞にそれぞれ特異的にカルシウムプローブを発現する遺伝子改変マウス(YC3.60マウス、YCNano15マウス)を用いた。
その結果、カプサイシン点眼時には、涙腺筋上皮細胞における細胞内カルシウム濃度上昇依存的な筋上皮収縮が生じることが確認された。また、涙腺局所の筋収縮抑制剤暴露時には、カプサイシン点眼時の筋上皮細胞収縮が生じず、涙液分泌上昇も抑制されることがわかった。
以上の結果より、角膜痛覚刺激応答時に生じる、一過性の涙液分泌には、涙腺筋上皮細胞収縮による、涙液の排出機能が寄与していることが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度までに確立した、涙腺生体活動イメージング法を用い、角膜痛覚刺激による、脳神経回路、活性化時の涙腺活動を可視化することができた。
次年度には、脳神経回路の操作、生体涙腺活動イメージングを組み合わせた、「泣く」イメージング解析を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

涙腺活動イメージングと、薬理および光遺伝学的手法による涙液分泌中枢の恣意的操作、角膜痛覚刺激応答を組み合わせ、脳-涙腺活動の連動により生じる情動の涙、角膜知覚刺激による
反射性の涙の分泌メカニズムを解明していく。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画に対し、実験回数が少量にて、研究計画を遂行可能だったため、次年度使用額が生じた。
平成31年度は、より迅速に計画を遂行するため、本額を請求、支出する。その内容は、実験動物、生体イメージング及び薬理遺伝学に使用する分子生物学的試薬への使用とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Intravital Two-photon Imaging of Ca2+ signaling in Secretory Organs of Yellow Cameleon Transgenic Mice2018

    • 著者名/発表者名
      Kai Jin, Toshihiro Imada, Shigeru Nakamura, Yusuke Izuta, Erina Oonishi, Michiko Shibuya, Hisayo Sakaguchi, Takahiro Adachi & Kazuo Tsubota
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-018-34347-1

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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