網膜の視覚情報処理において、いずれのP2X受容体サブタイプが、どのように寄与しているのかを明らかにすることを目的とし検討した。P2X受容体に対する非選択的アンタゴニストを用いた検討により、P2X3受容体の関与が推定された。そのため、P2X3受容体アンタゴニストを眼内へ投与し網膜電図を検討したところ、OP波の減少が認められた。また、網膜から脳への情報伝達を担う網膜神経節細胞の光刺激時の応答について、活動電位の発生頻度がP2X3受容体アンタゴニストにより変化した。以上の検討により、P2X3受容体がアマクリン細胞または網膜神経節細胞に発現しており、網膜内の視覚情報処理に関与していることが示唆された。
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