研究課題/領域番号 |
17K16995
|
研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
瀧田 真平 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 流動研究員 (90781261)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | HDF-a / Y79 / EYS転写産物 / ドメイン構造 / ゼブラフィッシュeys / 機能ゲノミクス / 網膜色素変性 / 眼細胞生物学 |
研究実績の概要 |
ヒトEYS遺伝子は日本人常染色体潜性網膜色素変性(arRP)の約3割を占める主要原因遺伝子であるが、根本的な治療法はなく喫緊の課題である。arRP治療法の確立には、EYS遺伝子の分子生理機能・RP発症メカニズムを明らかにすることが重要であり、本研究課題ではゼブラフィッシュの相同遺伝子eysのノックアウトゼブラフィッシュを作製し、これを動物モデルとしてEYSの機能解析、RP発症メカニズムを解析し、治療法開発へと道を開く。2018年度の成果は次の通りである。 1. ヒトY79細胞と皮膚繊維芽細胞HDF-a細胞に発現するEYS転写産物と、ゼブラフィッシュ成魚眼球に発現するeys転写産物を詳細に解析し、HDF-a細胞に発現するEYSの転写開始点がexon 37上に存在することを明らかにした。 2. そしてEYSの5'側が眼球特異的な領域であるという機能的示唆と、推定蛋白質ドメイン構造がヒトとゼブラフィッシュとで良く保存されていること、そしてEYSが選択的スプライシングを受けやすいことを明らかにした。 3. 2遺伝子性eys+/-; lrp5+/-ゼブラフィッシュを作製してmicroarrayによる網羅的遺伝子発現解析を行い、レチノイドサイクルで重要な役割を担っているretinol binding protein 1 (rbp1)の発現量が顕著に低下していることを明らかにした。 4. eys-/-ゼブラフィッシュ成魚眼球で網羅的遺伝子発現解析を行い、発現量が顕著に低下している遺伝子を複数種類同定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ概ね予定通り進行しているので、当面は当初の研究計画に沿って研究を推進する。
|
今後の研究の推進方策 |
現在順調に成果が得られており、今後は網羅的遺伝子発現解析で得られた知見を元に、局在解析や機能解析により研究を推進する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現在ゼブラフィッシュ変異体を成魚に育てており、成魚になるのを待ってから網羅的遺伝子解析を実施するため。
|