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2017 年度 実施状況報告書

ヒト幹細胞から誘導された網膜神経節細胞の発生に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K16996
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

横井 匡  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 感覚器・形態外科部, 医師 (80514025)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードBrn3b / 網膜神経節細胞 / iPS / 軸索伸長
研究実績の概要

われわれのグループでは、世界で初めて確固とした軸索を形成する網膜神経節細胞をヒトiPSから誘導することに成功した。このヒト網膜神経節細胞はその特徴である活動電位や軸索流を有し、形態やタンパク・遺伝子マーカーのみならず生理機能を有しているという優れた特徴をもっている。この網膜神経節細胞を用いて、これまで不可能であったin vitroでの網膜神経節細胞発生に関する研究が可能となってきている。
ことに、ヒト網膜神経節細胞の分化を決定づける転写因子Brn3bについて、これが発現した後、網膜神経節細胞は軸索を伸ばし、その分化の最終段階に入ることがわかっているが、Brn3bの下流で動く分子システムについては多くが知られていない。
昨年度においては、まず網膜神経節細胞のその特徴的な軸索がこれまで既知の神経成長または抑制因子に応答し、網膜神経節細胞軸索の特徴を模倣できるかを検討している。その結果、軸索成長促進因子であるNGFを加えると軸索は有意に伸長し、軸索成長阻害因子であるSEMA3Aを加えると軸索成長が有意に抑制されることを見出した。現在、DNA microarrayを用いて、iPSの各誘導段階における発現遺伝子の変化を解析中であり、Brn3bを取り巻く遺伝子群について、主要な候補を同定し、軸索の発現量や活動電位等の生理機能を最終的な指標として網膜神経節細胞の分化について研究を進める計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

評価系の構築に多くの時間を必要とした。
今後、構築した評価系を用いて研究を進めたいと考える。

今後の研究の推進方策

DNAmicroarrayの解析結果(昨年度に既に入手)をin silicoで解析し、下流の候補遺伝子を同定する。
これらに候補遺伝子それぞれに対して、in vitroにおいて、レポーターアッセイや、iPSへの遺伝子導入実験、siRNAを用いたknockdown実験を行い、western blottingにおけるタンパクの定量化、軸索量の測定、活動電位活性などの評価を行っていきたい。

最終的にはCRISPR/Casを用いた新規遺伝子ノックアウトマウスを作成し、網膜神経節細胞の分化誘導に与える影響について解析を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

16,344円については、一部物品について入札後余剰金が生じた。
次年度の実験物品にあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Effects of neuroactive agents on axonal growth and pathfinding of retinal ganglion cells generated from human stem cells2017

    • 著者名/発表者名
      Yokoi Tadashi、Tanaka Taku、Matsuzaka Emiko、Tamalu Fuminobu、Watanabe Shu-Ichi、Nishina Sachiko、Azuma Noriyuki
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1038/s41598-017-16727-1

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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