糖尿病黄斑浮腫(DME)に対して抗血管内皮増殖因子抗体の硝子体注射(抗VEGF療法)が行われるが約4割の患者で効果がない。そこで抗VEGF療法に替わる治療法を開発すべく研究を行った。DMEモデル動物を用いた実験により、DME網膜で活性化したROCKが網膜血管透過性亢進を促すことを突き止めた。DME動物モデル・培養血管内皮細胞を用いたさらなる検証により、ROCKが1)網膜炎症を制御する上流分子であること、2)VEGFのみならず炎症性サイトカインの下流で作用し血管内皮細胞密着結合の破壊に関与することを明らかにした。以上の結果からROCK阻害療法が抗VEGF療法に優る治療法になる可能性が示唆された。
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