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2017 年度 実施状況報告書

ω3系脂肪酸による肝線維化抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 17K16998
研究機関秋田大学

研究代表者

渡部 亮  秋田大学, 医学部, 医員 (80638255)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード医学 / 小児外科 / 細胞・組織 / 肝線維化 / IFALD
研究実績の概要

近年、静注用ω3系脂肪製剤の腸管不全合併肝障害(intestinal failure-associated liver disease : 以下IFALD)に対する有効性が報告されている。その作用機序は、a)胆汁流出の促進 b)肝細胞脂肪化の減少 c)免疫抗炎症作用の3点であるとされている。当教室では、実際に新生児発症IFALD症例2例に対し本剤を長期投与し、血中肝逸脱酵素値・血中ビリルビン値の改善と、肝生検で肝線維化の改善した経験を得ている。
一方、肝臓の非実質細胞のひとつである肝星細胞は、病的条件下で活性化しビタミンA脂質滴を失い、コラーゲンを盛んに合成・分泌するようになるため肝線維化の責任細胞と考えられている。肝星細胞の活性化の抑制は肝線維化を抑制・改善するため、肝硬変治療のターゲットとして極めて重要である。
本研究の目的は、ω3系脂肪酸の新たな作用として、肝星細胞の活性化を抑制しIFALDの治療に有効である可能性を検証することである。
平成29年度の研究の成果としては、ラット由来培養肝星細胞にω3系脂肪酸及びω6系脂肪酸を添加すると、前者においては脂肪滴を蓄える傾向があることがレーザー顕微鏡を用いての脂肪染色で見受けられた。今後は、その有意差を証明しつつ、細胞外マトリックス分泌に関しても脂肪酸によって差が生じるのかを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラット由来培養肝星細胞の継代について手技の確立ができた。また、肝星細胞とω3/6系脂肪酸について上記の通り、レーザー顕微鏡による脂肪滴の観察の手技を確立した。
細胞外マトリックス分泌との関連を調べるため、培養細胞に脂肪酸を添加し、今後RT-PCRで検証する準備が整っている。

今後の研究の推進方策

ラット由来培養肝星細胞に各種脂肪酸を添加し、脂肪滴の有無を更に検討するとともに、細胞外マトリックス分泌に関しても差が生じるのか、RT-PCR、WBを用いて検討する。
差が生じたのならば、そのメカニズムの解明に着手していく方針である。

次年度使用額が生じた理由

研究成果が出たのが、年度末であり、その発表の機会を得ることができず、次年度へ主に旅費が回った。
発表機会を得た際には適切に使用する予定であり、また今後の研究に必要な機器や人件費に充てる見込みである。

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公開日: 2018-12-17  

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