研究課題
若手研究(B)
小児外科分野において治療の確立が望まれるIFALDおよび肝硬変であるが、ω3系脂肪製剤が有用であることが報告されつつある。その機序はいまだ不明である。一方、肝線維化には肝星細胞が関与することが広く知られている。本研究ではω3系脂肪製剤が肝星細胞に対し、活性化を抑制すること、その結果コラーゲンをはじめとする細胞外マトリックスの産生を抑制することを示した。ω3系脂肪製剤が肝星細胞を介する機序でIFALDを抑制している可能性が示唆された。
小児外科学
腸管不全関連肝障害(IFALD)は一部の小児外科疾患が原因で引き起こされる腸管不全の致命的な合併症であり、その機序の解明及び治療法が急務であるが、いまだ多くが解明されていない。一方で動物実験や臨床試験において、ω3系脂肪製剤がIFALDの改善または発症を遅らせることが報告されている。本研究はω3系脂肪製剤がなぜ肝障害を抑制するのか、その一端を説明できる可能性を含んだ結果を得ることができ、本邦ではいまだ保険適応外であるω3系脂肪製剤の認可、さらにはより有効な治療薬の開発に一歩前進するものである。