今後の研究の推進方策 |
■ 継続して各種腫瘍組織、および樹立腫瘍細胞を用いて肝芽腫幹細胞の分離を行う。 ■ 分子発現プロファイリングの作成 免疫染色および2 次元Western Blotting によって、肝細胞マーカー (AFP, ALB, CK18, HNF4α等)、肝前駆細胞マーカー(CK19)、肝/癌/幹細胞マーカー分子群(CD44, CD90, Oct3/4, EpCAM 等)などのマーカーの発現を解析し、分子発現プロファイルを作成する。また、本プロファイルにより分類した細胞グループを用いて、肝芽腫幹細胞から肝芽腫への誘導モデルを作成する。本モデルを用いて、翻訳後修飾を含めた定量的融合プロテオミクスを行い、大規模データマイニングと分子プロファイリングによって、特に分化誘導によって変動の顕著な分子シグナルを検出する。これらの情報を用いてsphere細胞と分化誘導後接着細胞の性質の違いが、腫瘍細胞のどのような分化状態の変化に起因するものかを検討することで、肝芽腫の病態解析に繋げていく。又、これらの情報から、最も治療ターゲットとなる候補分子の絞り込みを行い、特異的阻害剤による性状変化を観察する。 ■ 動物移植モデルの検討 単離した sphere 形成細胞の動物移植モデルを検討することで、肝芽腫のがん幹細胞としての可能性の検証を行う。また、本モデルを用いて肝芽腫の治療モデルとして応用し、検出した治療ターゲット候補分子群の阻害剤などの効果の検証を行うことができるかを検討する。
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