研究課題
■ 幹細胞性sphere 形成能を有する細胞群の単離および性状解析2 例の肝芽腫組織サンプルを、肝芽腫部とその周囲の正常部の組織から採取し、幹細胞様細胞の分離法および長期培養条件の検討を行った。幹細胞に最適化した無血清培地を用いて、肝芽腫部から3 種類、正常部から2 種類の非接着性のsphere 形成細胞を分離し、約5 ヶ月から1 年に渡る継続培養に成功した。また、樹立肝芽腫細胞HepG2より、各種の幹細胞特殊培地等の検討を行うことによって、sphere形成能を有する誘導性幹細胞様クローンを作製し、長期継続継代に成功した。これらの性状解析を免疫染色およびWestern Blotting によって行い、幹細胞マーカーとして報告が散見されるEpCAMが強陽性となったことが特徴的な所見であった。また、その他のがん幹細胞マーカーであるSOX2やOct3/4も弱陽性であることが確認された。■ 分化誘導モデルの作成と解析分離したsphere形成細胞の一部には、血清刺激によってcollagen IVコーティングプレートに顕著な接着性が誘導され、経時的に単層で増殖性の形態変化を示すことを確認した。又、Western Blottingによって、肝細胞マーカーが発現誘導されることを確認した。■ 動物移植モデルの検討sphere 形成細胞のがん幹細胞の可能性の検証を行い、また、治療検討モデルとしても応用する目的で、樹立肝芽腫細胞HepG2より分離した sphere 形成細胞のヌードマウス移植モデルを検討している。
すべて 2018
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Pediatric Transplantation
巻: 22 ページ: 13221-13226
10.1111/petr.13221.