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2017 年度 実施状況報告書

短腸症候群における糖尿病薬DPP4阻害薬による新規治療法開発の基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K17004
研究機関順天堂大学

研究代表者

末吉 亮  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10724172)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード短腸症候群 / DPP4阻害薬 / 腸内細菌叢 / GLP-2 / タイト結合蛋白
研究実績の概要

本研究は、現在、糖尿病治療薬として認可されているDPP4阻害薬を用いて、短腸症候群に対しての病原性腸内細菌の体内侵入を防ぐことが可能かどうかを検証している。
先ず、生後10-12週のマウスに対して小腸の50%を切除し、腸管吻合を行う短腸症候群モデルを作成し、7日間生存させることに成功した。また、DPP4阻害薬であるシタグリプチンを60mg/kg/doseで1日2回経口投与を7日間施行し、低血糖を呈さないことを確認した。また、H-E染色において腸管粘膜の絨毛高がDPP4阻害薬群で有意に長くなっていた。
現在、短腸症候群モデルの生存率が向上している段階であり、消化管の組織検体及び糞便を摘出保存している状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究当初にマウス短腸症候群モデルを作成したところ、前施設で行なっていたものと比較して、生存率が著しく低かった。原因として、手術中の適正な温度、術直後の体温管理が誤っており、その点に関して修正したところ、生存率が向上した。周術期の体温管理は非常に重要であることを痛感した。この理由により、本研究の進行具合はやや遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

本研究のテーマである病原性腸内細菌の体内侵入(バクテリアルトランスロケーション)に関して検討するにあたり、盲腸内の便を採取し、腸内細菌叢の構成菌に関して、DPP4阻害薬投与群と生理食塩水投与群とで比較検討を行う予定である。通常、短腸症候群モデルマウスでは 乳酸菌優位の腸内細菌叢が腸球菌優位に変化すると言われている。シタグリプチン投与により、その腸内細菌叢に関しての変化を評価する。以前の研究では腸管の膜透過性がDPP4阻害薬投与群が生理食塩水投与群と比較して低下していたことから、そのメカニズムとしてタイト結合蛋白(ZO-1, E-Cadherin, Claudin,Occludinなど)に我々は着目している。そして、タイト結合蛋白に関して、RTーPCR法、凍結標本からの蛍光免疫組織染色により比較検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度は研究が進行し、実験物品がより多く必要となる可能性が高く、今年度の繰越し金として次年度に計上させて頂いた。

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公開日: 2018-12-17  

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