研究実績の概要 |
本年度は、脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cell, DFAT)より抽出した exosomeのヒトTリンパ球に及ぼす影響を確認する目的で、まずhDFAT exosome のTリンパ球増殖抑制能の検討を、ヒト末梢血Tリンパ球との共培養系を用いて確認した。共培養系はhDFAT及びadiposite stem cell (ASC) における直接共培養(direct co-culture)群、およびhDFAT及びASCから抽出したexosomeの添加群を比較検討した。リンパ球増殖能は、ヒト末梢血単核球からCD4 陽性Tリンパ球を単離し、蛍光色素CFDA-SE (carboxyfluorescein diacetate, succinimidylester)にて標識した後、fluorescence activated cell sorter を用いてCFDA-SE の蛍光強度を解析し評価した。リンパ球増殖刺激は抗CD3/CD28抗体とIL-2を用い、4日間刺激した。増殖刺激なしに比べ刺激ありでは、proliferation index (PI)が約2倍増加することを確認し、それぞれをNegative controlおよびPositive controlとした。 ①ヒトDFAT、ASCのT細胞増殖に対する効果 DFAT、ASCを事前に播種した実験区では、DFAT, ASC共に細胞密度依存性にPIの抑制が認められた。 ②ヒトDFAT、ASC 由来ExosomeのT細胞増殖に対する効果 ヒトDFAT、ASC 由来ExosomeのT細胞増殖に対する効果を同様に検討した。その結果、T細胞増殖刺激によるPIの増加は、DFAT-Exo、ASC-Exo添加により用量依存性に抑制された。
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