本研究では耳介のような複雑な形状を持つ再生軟骨を任意に創出すべく、ヒト耳介軟骨前駆細胞由来の膜状軟骨を利用したオーダーメイド軟骨再構築法を開発、検討した。まずCTデータから耳介軟骨相当部分を描出し、3Dプリンターを用いて3次元実体モデル化した。この表面にヒト軟骨前駆細胞から作製した膜状軟骨組織を乗せ、耳介形態の作製を試みた。 その結果CTデータからの実体モデル作製は最適化しえたが、膜状軟骨から形態を持つ軟骨再生に難渋した。そのためナノセルロースを用いた形態調整法も追加で検討した。この追加手法は形態調整に一定の成果を得たが、再生軟骨組織は非常に未熟であった。今後効率的な軟骨再生方法の検討を要する。
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