令和元年度は、純化培養したヒト脂肪組織由来血管内皮前駆細胞の細胞特性解析、及び疾患動物モデルによる治療の有効性の検証を行った。細胞特性解析は、フローサイトメトリーにより主に幹細胞性についての解析を行った。また、これまで血管内皮前駆細胞は、研究グレードの試薬を用いて調製していたが、臨床導入を目指し、臨床グレード(GMP準拠)の試薬での調製について検討し、臨床グレードでも細胞調製が可能であることを確認した。続いて、糖尿病マウス(db/dbマウス)に難治性皮膚潰瘍を作製し、内皮前駆細胞を創部へ投与した際の創傷治癒効果の検証を行い、有効性があることが示唆された。以上について、特許申請2件(特願 2019-192599、特願2019-219192)、及び国際学会1件(第17回 International Federation for Adipose Therapeutics and Science年会)、国内学会1件(第28回 日本形成外科学会基礎学術集会)の成果発表を行った。
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