研究課題
若手研究(B)
神経線維腫症1型(Neurofibromatosis type 1; NF-1)患者と非NF-1患者の良性皮膚腫瘍切除手術時に、合併切除を要する正常皮膚を採取して、細胞培養、組織学的解析、プロテオーム解析を行う予定とした。まずは5症例ずつを目安として計画し、非NF-1患者の線維芽細胞を回収、組織標本作製を行うことができた。研究期間中にNF-1患者の受診や手術件数が少なく、研究をすすめるべく症例数を増やしている段階である。
形成外科
神経線維腫症Ⅰ型(neurofibromatosis type 1; NF-1)患者の手術後の瘢痕は整容性に優れ、肥厚性瘢痕やケロイドを生じる症例が少ないとの臨床報告はあるものの、これまでに神経線維腫症患者の創傷治癒や瘢痕についての基礎研究報告はない。創縁の緊張という機械的刺激は肥厚性瘢痕・ケロイトの発生の主要因と考えられるが、NF-1患者ではそれを凌駕する、線維増生を抑制する機構が働いていると予想される。研究をすすめることで、瘢痕研究に新しい知見をもたらすと考えられる。