敗血症は感染症により臓器障害をきたすと考えられており、血管内皮傷害の存在も示唆されている。アンチトロンビン(AT)は抗炎症効果を有していることから、敗血症時の血管内皮傷保護効果と臓器障害抑制効果について検討した。10週齢のマウスにリポ多糖(LPS)を腹腔内注射し、LPS投与後3、24時間にAT 500U/kgを腹腔内投与した。LPS投与後48時間のマウスの生存率は未治療群で24%であったのに対しAT群は70%と有意に改善していた。超微形態では心臓、肺、肝臓においていずれも未治療群では血管内皮を覆うグリコカリックスの脱落を認めたが、AT群では保たれていた。
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