研究課題/領域番号 |
17K17050
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松浦 裕司 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10791709)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 衝撃波外傷 / 頭部外傷 / mild TBI / shock wave / blast injury / depression like behavior |
研究実績の概要 |
昨年度につづき、衝撃波によるmild traumatic brain injury(mTBI)モデルを作成のため、実験を進めていった。まず、mTBIモデルについて、行動学的試験を行った。受傷2週間後のYmazeテストで衝撃波受傷群は認知機能障害を示唆する所見を認め、また2週間後及び6週間後の強制水泳試験においてうつ様行動を示唆する無働時間の延長が認められた。また、生理学的所見に関しては受傷群の体重が受傷3日後まで減少しその後上昇した。この原因の一つとして、食事量を確認したところ、特に受傷1日目、2日目で食事量の低下があった。 我々の衝撃波発生装置は頭部単独に作用させることができる点がオリジナルで強みでもあるため、衝撃波の影響を最も受ける胸部への影響がこのモデルで見られるかどうかの検討を行った。胸部、頭部それぞれに衝撃波をあてている間のバイタルサイン(動脈血圧、心電図)を記録した。胸部に当てた際はこれまで報告されているとおり、一過性の徐脈、低血圧を認めたが、頭部に作用させた間のバイタルサインはほぼ何も変化がみられなかった。 現時点で、頭部単独に衝撃波を作用させ、一過性に食事量低下に伴う体重減少をきたし、2週間後、6週間後において、ヒトでの特徴と類似する認知機能障害、うつ様行動を示す動物モデルが作成できている。今後の課題としては脳の器質的変化を捉えることであり、動物用MRI、免疫組織化学検査(Iba1、NeuN、GFAP)を実施し始めており、結果を得ていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で、頭部単独に衝撃波を作用させ、一過性に食事量低下に伴う体重減少をきたし、2週間後、6週間後において、ヒトでの特徴と類似する認知機能障害、うつ様行動を示す動物モデルが作成できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の課題としては脳の器質的変化を捉えることであり、動物用MRI、免疫組織化学検査(Iba1、NeuN、GFAP)を実施し始めており、結果を得ていく予定である。
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