本研究では新たに軽症頭部爆傷ラットモデルを作成し病態を評価することを目的とした。ラットの頭頂部に作用させる衝撃波のピーク圧は646.2±70.3kPaであった。このモデルは肉眼的およびHE染色においても出血はなく、Y迷路試験および強制水泳試験で爆傷群において、異常行動(短期記憶障害、うつ様行動)が確認された。11.7TのMRIでは、2週間をピークに両側海馬の領域にDWIで高信号域を認めた。免疫染色では、同領域にiba-1、GFAP、NeuN染色で有意な差を認めた。本モデルは軽症頭部爆傷後の慢性期にかけての行動異常と脳実質の微細な炎症性変化を捉えていることが示唆され、今後の研究の基盤となりうる。
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