気道熱傷による炎症は気道内浮腫,分泌物増加,偽膜形成が惹起され肺炎を引き起こす.気道熱傷患者への呼吸理学療法の効果について示されたものは少ない.今回,気道熱傷患者への呼吸理学療法の効果について短期的効果,長期予後の関連性について明らかにすることを目的とした.短期的効果として呼吸理学療法前後で一回換気量,分時換気量,動的コンプラアンスを増加させ平均気道内圧は低下した.また,強制オシュレーション法から得られた気道抵抗,動的コンプラアンスは改善し咳嗽力も改善する事が示唆された.また,長期的効果として呼吸器合併症を予防,退院時に良好なADLを維持できる可能性が示唆された.
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