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2019 年度 実施状況報告書

間質性肺炎急性増悪の治療標的分子同定および体外式膜型人工肺を用いた新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K17052
研究機関広島大学

研究代表者

木田 佳子  広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (00526220)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードECMO / 間質性肺炎急性増悪
研究実績の概要

はじめに後ろ向きに間質性肺炎急性増悪患者に通常の人工呼吸のみで管理した群と体外式膜型人工肺(Veno venous extracorporeal membrane oxygenation)を施行し管理した群で死亡後に剖検を行った患者の剖検肺で病理学的検討を行った.KL-6(sialylated carbohydrate antigen KL-6 )やSP(surfactant protein)-Dをはじめとして間質性肺炎の治療効果の指標となるマーカーや,その他IL(interleukin)-6,RAGE(receptor for advanced glycation end products), Ang(angiopoietin)2など血管内皮・炎症マーカーを免疫染色を行い,定性的に評価を行った.結果どのマーカーについても人工呼吸器管理群と比してECMO群で発現が低下していた.つまりECMOで管理したことにより,より厳密な肺保護換気が行えVILI(Ventilator induced lung injury: 人工呼吸関連肺障害)が抑えられた可能性が示唆された(報告済).
続いて実際の患者血清を用いて,これらのマーカーの継時的変化を測定した.前向きに患者血清収集が必要であったために症例数としては少数であったが,2群において病理学的に差が認められたマーカーの中でRAGEが最も治療経過を反映していたという結果となった.しかし少数での結果であり,今後症例数を集積して検討する必要がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

間質性肺炎急性増悪が原因で人工呼吸を行う症例は少ない,さらにそこからECMOの適応条件を満たしECMOを行なった症例は非常に少ない.当施設での症例集積を行なったが,十分な症例数を集めるまでにはいかなかったため,さらなる動物実験を行うまでのデータ収集は難しかったことが進歩が遅れている理由である.

今後の研究の推進方策

症例を集積するために他施設とも連絡し症例を集める必要がある.
当地域のICU施設は当大学からの派遣医師が多く協力を求めることは可能である.
また動物実験についても現時点でまだ開始できていない状況であり,データ集積と並行してモデルの作成を行う必要がある.

次年度使用額が生じた理由

動物実験を行うまでのデータが揃わなかったためが主な理由である.そのためには間質性肺炎急性増悪患者,またそれらの人工呼吸管理症例とECMO症例の症例数が不足しているため有用なサイトカインを同定するためのデータが不足していることが主な理由である.他施設への症例の集約化も含め日々努力しているところであるが本年はCOVID-19の影響もあり不確定な部分が多い.しかし重症呼吸不全の集約化することで他施設からの症例も含め症例数を集積していく予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Paediatric acute respiratory distress syndrome incidence and epidemiology (PARDIE): an international, observational study2019

    • 著者名/発表者名
      Khemani Robinder G、Smith Lincoln、Lopez-Fernandez Yolanda M、et al.collaborator: Yoshiko Kida, et al.
    • 雑誌名

      The Lancet Respiratory Medicine

      巻: 7 ページ: 115~128

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/S2213-2600(18)30344-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unique patterns of lower respiratory tract microbiota are associated with inflammation and hospital mortality in acute respiratory distress syndrome2019

    • 著者名/発表者名
      Kyo Michihito、Nishioka Keisuke、Nakaya Takaaki、Kida Yoshiko、Tanabe Yuko、Ohshimo Shinichiro、Shime Nobuaki
    • 雑誌名

      Respiratory Research

      巻: 20 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.1186/s12931-019-1203-y

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Retrospective immunohistological study of autopsied lungs in patients with acute exacerbation of interstitial pneumonia managed with extracorporeal membrane oxygenation2019

    • 著者名/発表者名
      Kida Yoshiko、Ohshimo Shinichiro、Kyo Michihito、Hosokawa Koji、Amatya Vishwa Jeet、Takeshima Yukio、Shime Nobuaki
    • 雑誌名

      Journal of Thoracic Disease

      巻: 11 ページ: 4436~4443

    • DOI

      https://doi.org/10.21037/jtd.2019.11.09

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 間質性肺炎急性増悪に対してVV ECMO導入した2症例の血清マーカーの経時的変化2019

    • 著者名/発表者名
      木田佳子,京道人,大下慎一郎,細川康二,志馬伸朗
    • 学会等名
      第46回日本集中治療医学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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