本研究は急性病態における血液凝固線溶動態を解明し、その治療応用を目的としている。今回、急性病態下にある患者血液で、凝固線溶系マーカー及び炎症・血管内皮細胞障害関連の各種マーカーを解析した。急性病態において、ほぼ同様に侵襲に伴う凝固亢進やt-PAやPAI-1による線溶亢進から抑制への変化などの血液凝固線溶動態を捉えた。特に熱中症や腹膜炎に伴うDICに関しては、凝固線溶動態を指標とした治療戦略・効果判定が有用であった。更に、これらの凝固線溶異常と血管内皮細胞障害との関連を明らかにした。今回の結果は、DICなどの凝固線溶異常の病態解明と治療戦略構築に必須なものであると考えられる。
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