重症呼吸不全を引き起こし,致死率の高いARDSにおける肺胞上皮細胞傷害のメカニズムとしては主にアポトーシスに主眼をおいた研究が行われてきた.しかしながら本研究の成果により,アポトーシスよりもむしろネクローシスが病態に寄与している可能性が示され,また制御可能なプログラムされたネクロプトーシスが肺胞上皮細胞死を引き起こしていることが示唆された.本研究の成果はネクロプトーシスを含むネクローシスがARDSに対する有望な治療標的であることを示しており,ネクロプトーシスを標的としたARDS治療法開発に向けたさらなる研究を加速させるものである.
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