HMGB1などのAlarminは、敗血症時の血管透過性亢進の一因となることが示唆されている。虚血を伴う盲腸結紮穿孔マウスモデル(CLP)では、36時間後の細胞外水分率がsham群と比較し有意に増加し、HMGB1濃度も有意に高値であったが、細胞外水分量とHMGB1の間に明瞭な関係は認めなかった。マウス肺血管上皮細胞を用いた検討では、虚血を伴うCLP血漿の添加は、早期の経上皮抵抗低下に加え、添加後10時間前後に虚血のないCLPと異なる障害型を示した。血漿から分離したEVsの添加が同様の障害型を示したことから、EVsに包含されるAlarminと細胞障害機序について更なる検討の必要性が明らかとなった。
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