本研究では急性肝不全モデルに対してトロンボモジュリン製剤投与後に肝臓に超音波を経皮的に照射した。トロンボモジュリン製剤投与後に超音波を照射する群は、トロンボモジュリン単独群と比較して血漿中AST、ALT、HMGB-1値は有意に低かった。また病理学的検討においてもトロンボモジュリン製剤に超音波照射を加えることで、肝傷害やアポトーシスは有意に改善を認めた。一方で肝組織内におけるトロンボモジュリン製剤の濃度に変化は認められなかった。 結論として、急性肝不全モデルにおいて、超音波照射はトロンボモジュリン製剤の効果を増強させる作用が確認された。一方でメカニズムの解明には追加検討を必要とする。
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