研究課題
FGF23/αklothoシグナルは、腎臓におけるリン代謝調節を担うことが知られており、本シグナルの破綻は、血中リン濃度上昇のみならず骨基質石灰化異常や血管石灰化を招くことが報告されている。研究者代表者は、これまで、αklotho遺伝子変異マウスやαklotho遺伝子欠損マウスを用いて骨基質石灰化異常や血管石灰化のメカニズム解明に取り組んできた。本研究では、先行研究を発展させ、骨・血管石灰化におけるFGF23またはαklothoの独自作用の可能性を明らかにする目的で、Fgf23遺伝子欠損マウスの骨基質石灰化異常の組織化学・微細構造解析を行った。本年度に着手した骨基質石灰化異常の組織学的・微細構造学的解析から、Fgf23遺伝子欠損マウスの大腿骨・脛骨では、広く未石灰化骨基質が認められる一方、このような骨基質内部に埋め込まれた骨細胞が石灰化沈着を生じていることが明らかとなった。また、これらの骨細胞では、カルシウム結合能を有する骨基質蛋白である、DMP1やオステオポンチンが過剰に発現しており、骨細胞の機能異常が推測された。現在、Fgf23遺伝子欠損マウス骨組織において、さらなる組織学的解析を進めるとともに、各種遺伝子発現の解析を進めている。一方、Fgf23遺伝子欠損マウスの血管石灰化については試料作成が完了しており、今後、骨基質石灰化異常と同様に、組織化学的・微細構造解析を進めてゆく予定である。
2: おおむね順調に進展している
現在、Fgf23遺伝子欠損マウスの骨基質石灰化異常について解析を進めている。また、同時に、血管石灰化についても試料作成は終了しており、同様に微細構造解析に着手する予定である。
Fgf23遺伝子欠損マウスの骨基質石灰化異常については、引き続き組織化学・微細構造学的な検索を進めるとともに、遺伝子解析も進めてゆく。また、研究代表者らがこれまでに行ってきたαklotho遺伝子欠損マウスの骨基質石灰化異常との比較を行い、FGF23とαklothoの独自作用の可能性を見出してゆく予定である。なお、血管石灰化についても同様に着手してゆく予定である。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
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