バクテロイデーテス門細菌独自の9型分泌機構(T9SS)は生育に必要な酵素類、病原性タンパク質を分泌するだけでなく、滑走運動装置としても機能する。本研究はT9SS複合体の構造解析と作動機構の解明を目指した。 本研究の結果、歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisの外膜上の分泌装置の一部と思われるリング状構造を可視化することができた。また、シリカビーズを用いた新しい急速凍結法を確立すると共に、クライオ電子顕微鏡法を含む種々のイメージング技術を用いて、土壌細菌Flavobacterium johnsoniaeのらせん状滑走装置の存在を明らかにし、新たな滑走運動機構を提案した。
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