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2018 年度 実施状況報告書

骨におけるリンと老化とオートファジーの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K17086
研究機関長崎大学

研究代表者

佐々木 宗輝  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10706336)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード骨細胞 / リン / オートファジー / 老化
研究実績の概要

本研究は、「リン」、「骨細胞」、「オートファジー」に着目し、リン濃度が骨細胞のオートファジー機能に与える影響を検索して骨細胞の老化メカニズムを明らかにすることを目的とした。細胞老化にはリンが関与するため、高リン食(P:1.73%、Ca: 0.58%)、低リン食(P: 0.2%、Ca: 0.6%)、コントロール食(P: 0.6%、Ca: 0.6%)を生後3 週齢の野生型マウスに1~4 週間与えて血中リン濃度を管理して骨組織に与える影響を比較解析した。その結果、高リン食を与えられた群においては、低リン食群やコントロール群と比較し小さく、さらに老化現象と思われる現象が確認された。一方、低リン食を給餌された群では、著名な外見上の変化は認められなかった。さらに各個体から採取した大腿骨は脱灰し、パラフィン包埋を行い観察を行い、脛骨はマイクロCTにて解析を行った。各種リン濃度で管理されたマウス骨細胞におけるオートファジーの活性を確認するためTEM を用いてオートファジーの特徴であるオートファゴソームの観察を行った。TEMによる通常の観察において、骨細胞内のオートファゴソームが観察された。平成29年は以上の成果が得られた。平成30年度では免疫染色においてオートファジーマーカーのひとつであるLC3Bの局在を確認したところ成長板と一次骨梁付近への局在を認めた。コントロール群、低リン食群、高リン食群では局在が異なっていた。これはオートファジー作用が血中リン濃度の影響を受けることを示唆する所見である。その一方で、局在を認める細胞は骨細胞以外の細胞にも認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度は血中リン濃度の変化によるオートファジー活性の変化を認めさらに,オートファジータンパク質の局在の変化を確認した。また、しかし局在を認めた細胞は骨細胞のみならず他の細胞にも認められたため検討が必要と考えられた。これは当初の予測と異なる結果であるが想定の範囲内であり、今後の研究の発展に貢献する結果である。

今後の研究の推進方策

今後は老化の証明のために透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて細胞内小器官の蓄積、DNA の障害、蛋白質の過剰な蓄積などを確認する。さらに臓器のオートファジー関連分子と老化関連分子を定量qPCR とウエスタンブロッティングにて解析し、リン濃度の変化が全身に与える影響も検索する。また追加実験としては、当初の予測と異なる細胞にもオートファジー関連タンパク質の局在の変化を認めたことからこの細胞の検討を行う。そのためにTEMによる骨細胞以外の細胞のオートファゴソーム検索を行い、免疫染色の結果との比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度は、当初想定していた細胞以外に、オートファジー関連タンパク質の局在を認めたことからその検討に時間を要したが、研究を発展させる重要な所見である。今後はオートファジー関連分子と老化関連分子を定量qPCR とウエスタンブロッティングにて解析し、リン濃度の変化が全身に与える影響も検索するためそこに研究費を使用する。さらにTEM観察を行うために新たなダイヤモンドナイフを購入する必要性が生じたためその購入に研究費をあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effect of phosphorus concentration on osteocyte senescence.2018

    • 著者名/発表者名
      SasakiI M, Kurishima S, Sawase T
    • 学会等名
      28th Australian and New Zealand Bone and Mineral Society Annual Scientific Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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