本研究は,骨の老化メカニズムを解明するために骨細胞,リン,オートファジーに注目した.老化加速因子であるリンの濃度を調整した餌をマウスに与え,それぞれの変化を確認した.高リン食を与えた群では,老化を示す身体的な特徴を示した.リン食濃度調整食を与えた群では,オートファジー特異的なタンパク質の発現が変化したことから,血中のリン濃度はオートファジー作用に影響を与えると示唆された.さらに大腿骨から採取した細胞を培養した骨細胞様細胞を用いた実験では培養液のリン濃度の変化によってオートファジー関連タンパク質の発現が変化した.以上から血中リン濃度の変化がオートファジー作用へ影響を与えることが明らかになった.
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