| 研究課題/領域番号 |
17K17105
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| 研究機関 | 名古屋市立大学 |
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研究代表者 |
宮本 大模 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, その他 (10571680)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | Myeloperoxidase / Platelet Rich Fibrin |
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| 研究実績の概要 |
本研究を行うにあたり、Platelet Rich Fibrin(PRF)の鎮痛効果を調べるため、下顎埋伏智歯抜歯患者にPRFを応用し、PRFの鎮痛効果についての臨床試験を行った。本臨床試験は蒲郡市民病院特定認定再生医療等委員会の承認および名古屋市立大学臨床試験審査委員会の承認の下に実施している。その結果、PRFを応用することで抜歯後3日目、4日目の抜歯後疼痛抑制効果を示す結果を得られた。PRFの抜歯後疼痛抑制効果については成長因子による組織再生効果と白血球による抗感染効果、フィブリンによるシールド効果に起因するものと考えられ、その結果の詳細については第72回NPO法人口腔科学会学術大会にて発表する予定。また平成30年度中に英論文投稿予定。
動物実験においては、F344ラットの舌に18Gyの放射線を照射することで口腔粘膜炎を発症させ、口腔粘膜炎発症中のラット口腔内より唾液の採取を行い、唾液中のMyeloperoxidase(MPO) 量の測定を行った。その結果放射線生口腔粘膜炎発症時には唾液中のMPO量も増加することがわかった。並行してラットより1ccの採血を行い、PRF作製を行った。PRFを使用する上で、口腔粘膜炎部に貼付する場合、可動粘膜である舌への貼付は維持が難しく、容易に脱離するためPRF貼付方法についての検討が必要と考える。唾液中のMPO量測定の結果は血小板濃縮血液材料の放射線性口腔粘膜炎に対する有効性と合わせて第73回NPO法人口腔科学会学術大会にて発表する予定。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は概ね予定どおり進行している。ただしPRFの貼付方法については再検討が必要であり、予備実験を含め、研究期間が必要と考える。
平成30年度に行う予定の臨床研究について、研究開始は平成30年度中に可能であるが、症例数の問題から研究終了が平成30年度中に終えることができない可能性がある。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、まずPRFを舌口腔粘膜炎に応用する場合の適用方法の再検討を行う。①PRFと舌上皮粘膜を縫合する②PRFをフィブリン糊で固定する、以上の2点を軸にPRFの適用方法の再検討を行う。再検討の結果、口腔粘膜炎へのPRFの適用が難しい場合は、PRFと同じ濃縮血小板血液材料であるPRPの放射線性口腔粘膜炎の適用を検討する。PRPはPRF同様、内部に多数の血小板と白血球を含む血液材料であり、粘膜炎の早期治癒および抗感染効果を期待出来る。PRFと異なり個体ではなく半ゲル状のため、可動粘膜である舌への応用も扱いやすい。ただし、PRFと異なり作製に塩化カルシウム等の不純物を使用するため、臨床応用する場合はPRFよりも一層慎重に進める必要がある。
基礎研究の結果が得られ次第、特定認定再生医療等委員会の承認および名古屋市立大学臨床試験審査委員会の承認を得た上で、臨床応用を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
実験動物の節約により平成29年度は研究費の節約に努めた。学会参加については平成29年度は国内学会での学術集会参加および報告に絞ったため、旅費を節約することができた。平成30年度については、引き続きPRFを応用した動物実験を行なう予定であり、動物実験に必要な費用が600千円程度必要。さらにPRFの臨床応用を検討しているがPRFは第三種再生医療等技術に指定されており、臨床応用する場合は特定認定再生医療等委員会の審査を受ける必要がある、その費用として500千円程度必要。また平成30年4月1日より臨床研究法が施行されたのに伴い、臨床研究における有害事象発生時に対応する医療保険に加入する必要があるため、保険料として500千円程度必要。その他学会参加費や論文投稿費等の諸経費として600千円程度必要。
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