研究課題/領域番号 |
17K17105
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
宮本 大模 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (10571680)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非吸収性液状機器 / Platelet Rich Fibrin / 放射線性口腔粘膜炎 |
研究実績の概要 |
平成30年度はPlatelet Rich Fibrin(PRF)を可動粘膜である舌に貼付し維持する方法についての検討を行った。予定していたPRFを舌上皮粘膜と縫合する方法については舌の可動量が予想以上に大きく、維持力に良好な結果を得ることができなかった。またフィブリン糊を用いてPRFを固定する方法についてはフィブリン糊自体が放射線性口腔粘膜炎に対して治癒の方向に作用している可能性を捨てきることができず、放射線性口腔粘膜炎に対するPRF単独の有効性を検証するにあたり、フィブリン糊の有効性を排除する必要があった。 平成30年度より化学療法や放射線治療に伴う口腔粘膜炎に対して医療機器として保険収載された非吸収性液状機器エピシル口腔溶液がPRFを舌口腔粘膜炎部に維持する方法として応用できるのではと考え、まずはエピシル口腔溶液が放射線性口腔粘膜炎に対しどのように作用するかの検討を当科で確立した放射線性口腔粘膜炎ラット舌モデルを用いて行った。 その結果、さらに詳細に検討する必要はあるが、少なくともエピシル口腔溶液には数時間舌表面に付着し、摂餌時の疼痛を抑制することで口腔粘膜炎発症中の体重低下を防ぐことがわかった。またエピシル口腔溶液自体に口腔粘膜炎の重症度を抑制する効果は認めなかった。これらの結果については、第73回NPO法人口腔科学会学術大会および第16回NPO法人日本口腔ケア学会総会・学術大会において発表した。またこれらの成果については平成31年度中に英論文投稿予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究は予定と比較し、やや遅れている。PRFの貼付方法についてエピシル口腔溶液の適否を検討するため、まずはエピシル口腔溶液自体の口腔粘膜炎に対する作用について調査する必要があった。エピシル口腔溶液を用いた動物実験についてはこれまで報告はなく、適切な使用開始時期や使用期間、使用回数についての検討が必要なため時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、エピシル口腔溶液でPRFを貼付する方法は最終的に臨床への応用を検討しており、これまで行ってきた動物実験に加え、実際の臨床における放射線性口腔粘膜炎への作用について検討する必要があり、平成31年度中に行う予定である。また平成31年度中にはエピシル口腔溶液を用いて放射線性口腔粘膜炎にPRFを貼付し、放射線性口腔粘膜炎に対するPRFの有効性について検討する。その結果については第65回日本口腔外科学会総会・学術大会にて発表する予定。 基礎研究の結果が得られ次第、特定認定再生医療等委員会および名古屋市立大学臨床試験審査委員会の承認を得た上で、臨床研究を行う予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度同様、実験動物の節約により研究費の節約に努めた。学会参加についても国内学会での学術集会参加および報告に絞ったため、旅費を節約した。平成31年度についてはエピシル口腔溶液を用いて放射線性口腔粘膜炎ラット舌モデルに対し、PRFを貼付する研究を行う予定であり、動物実験に必要な経費を600千円程度と予定している。またPRFの臨床応用に必要な諸経費として1000千円、その他学会参加費や論文投稿の諸経費等に500千円程度の支出を予定している。
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