研究課題
1,樹上細胞(以下DC)分化解析:ADAM10欠損マウスのDC分化解析はほぼ終了した。その結果、既報とは異なる分化の過程がある可能性が発見されたため論文化を行っている。2、免疫染色による視覚化:CD11b+DCの増加を免疫染色上で確認することができた。他の種類のDCも観察が可能であれば、範囲を広げて観察し、脾臓での変化を視覚的に確認できるように報告したい。3,液性免疫の低下:液性免疫への影響を確認した。ADAM10欠損マウスと野生型マウスに毒素を腹腔内注射した後、血中IgG量の減少を確認した。しかし、既報の脾臓の機能は、Notchの機能を解析する報告が多く、この機能もNotchによるものと報告があった。既報では、我々が使用しているマウスと同様のマウスを利用し、血中IgGの現象を確認し、ヘルパーT細胞の機能に影響を与えるためであるとの報告があった。私達の結果は、既報告と関連が深くT細胞分化に影響を与えるため、液性免疫に与える影響も検討する必要があると考える。4,分化に必要なサイトカイン:既報の実験系を利用し、サイトカインの遺伝子を導入する細胞の培養を行っている。この細胞に分化に関与するサイトカインを導入し、Adam10の機能を解析する。近年では、ADAM10の解析は進み、北村病、認知症など具体的な病名も上がってきている。当初の目的である口腔粘膜疾患でも皮膚疾患と同様に難治性口内炎を中心として病名を検討したい。そのためのモデルマウスを検討中である。
2: おおむね順調に進展している
計画通り進行し、一部の結果で論文製作を行う予定である。
mEFの細胞上でのADAM10の機能を解析し、細胞膜状でADAM10が分化に関与するサイトカインを切断することを証明する。また、ADAM10の報告はNotchシグナルによるものが多く、免疫系の実験の多くもNotchシグナルによると結論されるものが多い。Notch以外の異なる経路を示し、この研究の新規性を示すための方法を検討中である。具体的な方法は、Notchシグナルの研究で用いられるマウスを利用しADAM10をノックアウトして、Notch以外の経路がある可能性を示めす準備を行っている。
2018年7月にロンドンで行われる国際歯科研究学会(IADR)の学会に発表を目的に参加するため学会参加費および宿泊費を含む出張費が予想以上に必要であり、また国内学会費も必要となり、昨年度の費用を節約し2018年度に使用することになった。
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日本口腔内科学会
巻: 23巻1号 ページ: 1-8