本研究では「唾液由来エクソソーム中のmiRNA解析による白板症の悪性化診断マーカーの同定」を目的として、行った。具体的には、以下の研究を行った。 1) 唾液由来エクソソームおよびRNAの回収: 健常者、白板症患者および舌癌患者それぞれ4症例ずつより舌表面から唾液を200 μl採取する。唾液を5 mlに希釈しエクソソームを回収後にRNAを抽出中した。 2) 悪性化に伴い存在量が変動するmiRNAの同定: 1で明らかにしたmiRNA発現プロファイルを基に健常者に比べ、白板症患者および舌癌患者で存在量が変化しているmiRNAを同定を現在行った。 3) 候補miRNAの新規診断マーカーとしての有用性の検討: 健常者、白板症患者および舌癌患者それぞれ20症例から唾液由来エクソソームを回収し、候補miRNAの存在量をqPCR法にて測定し、最も発現量に変化がみられたmiRNAを診断マーカーとして同定する。またこのときマーカーとしての有用性を確認するために同一症例から血液サンプルを採取し血液由来のエクソソーム中に含まれるmiRNAの存在量と比較し発現量との相関を検討した。 4)組織切片を用いたマーカーの有用性の検討: miRNAはタンパク質の発現を制御することが知られているため、同定したmiRNAによって発現制御を受けているタンパク質を検索する。白板症患者および舌癌患者由来の組織切片を用いて検索したタンパク質の発現を免疫染色にて確認し悪性化に関与するタンパク質マーカーを同定した。
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