研究課題
平成29年度の研究にてパノラマX線画像から切り出した歯牙画像より、歯式や歯冠修復物などの情報を自動的に判別(Classification)するアルゴリズムを開発した。平成30年度の研究では人工知能に学習させるために必要となる多量の教師データ作成のため、画像から関心領域を手動抽出し簡易的にラベリングするソフトウェアを開発した。令和元年度の研究では平成30年度の研究において作成した教師データを用いてオリジナルのパノラマX線画像から自動で単一の歯牙画像を検出(Detection)を行うアルゴリズムを作成した。単一歯牙画像の検出が可能となることによりオリジナルのパノラマX線画像から全ての歯牙を自動抽出し、29年度の研究で開発した歯種及び歯牙状態の分類アルゴリズムに入力するデータを作成し、全顎的な口腔内情報の採取の自動化が可能となる。またこれまでに作成したClassificationおよびDetectionアルゴリズムに関しても複数の学習条件や学習ネットワークの違いによる性能の検証を行いより精度の高いアルゴリズムにアップデートを行った。結果として歯式のClassificationで93.2%、歯牙状態のClassificationで98.0%の精度を、単一歯牙のDetectionで96.4%の感度が得られた。上記の研究内容については論文(Oral radiology:2020)でも報告されている。しかし現時点では当初予定されていた人工知能により開発されたアルゴリズムを搭載したソフトウェアの開発までは着手できておらず、今後も引き続き開発を行う予定である。
すべて 2020 2019
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Oral Radiology
巻: Online ページ: Online
https://doi.org/10.1007/s11282-019-00418-w
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