東日本大震災では多数の身元不明者が発生し、個人特定には歯科情報が大きな役割を果たした。歯科情報の照合は自動化されたが、身元不明遺体から歯科情報を採取するには多くの人員が必要であった。歯科情報を歯科領域の一般的な撮影であるパノラマエックス線写真から自動的に抽出するために人工知能"Deep Learning"を用いたアルゴリズムの開発を行った。画像から①単一歯牙の検出、②歯式自動分類、③歯牙状態分類の3つのアルゴリズムを開発した。①単一歯牙の検出では感度96.4%、②歯式自動分類では精度93.2%、③歯牙状態分類では感度98.0%とと高い性能を示し、歯科情報自動抽出の可能性が示唆された。
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