研究課題/領域番号 |
17K17114
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
堀江 俊 朝日大学, 歯学部, 助教 (00782658)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯周病関連細菌 / Tannerella forsythia / OmpA様蛋白質 / 糖鎖修飾 |
研究実績の概要 |
歯周病関連細菌であるTannerella forsythiaの全菌体抽出液より小麦胚芽レクチンアフィニティーカラムで糖蛋白質を分離・精製した。その糖蛋白質を質量分析したところ、Tf 1331にコードされたOmpA様蛋白質が同定された。またT. forsythia のOmpA様蛋白質は、O結合型のGlcNAcおよびシアル酸を含んでいることも明らかにした。さらにこの糖鎖がレクチンを介した宿主細胞への結合に関与していることを明らかにした。しかしながら、OmpA様蛋白質の糖鎖修飾に関わるアミノ酸配列は明らかにされていない。またOmpA様蛋白質の糖修飾酵素も明らかにされていない。さらには、OmpA様蛋白質の糖鎖修飾の生理学的・病理学的意義が明らかにされていない。そこで本研究では、OmpA様蛋白質の糖鎖修飾に関わるアミノ酸配列の同定を行うとともに、OmpA様蛋白質の糖鎖修飾に関わる酵素を探索する。さらには、OmpA様蛋白質の生理学的・病理学的役割を明らかにすることを目的とする。 今年度は、GlcNAc転移酵素阻害剤とシアル酸転移酵素阻害剤を用いて、菌体の増殖への影響や菌体蛋白質の糖鎖修飾の変化についての検討を行った。いずれの阻害剤も、菌体の増殖に影響を及ぼさなかった。またGlcNAc修飾酵素阻害剤では、OmpA様蛋白質のバンドと90 kDaのバンドを消失させたものがあった。シアル酸修飾酵素阻害剤では、泳動像に影響を及ぼさなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
T. forsythiaの糖転移酵素の探索は行ったものの、糖転移酵素の変異株の作製までには至らなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
糖転移酵素の変異株の作製を行い、次いで糖鎖修飾の変化の検討を進めて、計画の遅れを取り戻すようにする。同時にOmpA様蛋白質において糖鎖修飾を受けるアミノ酸配列の同定を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定だった試薬・器具等の支払いが次年度に持ち越しとなったため。 次年度に必要な試薬・器具等の消耗品を節約を心掛けて購入する予定で使用計画を立てている。
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