研究課題/領域番号 |
17K17123
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
浦羽 真太郎 昭和大学, 歯学部, 助教 (80778457)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯科用コーンビームCT |
研究実績の概要 |
平成29年度は、歯科用コーンビームCT(以下CBCT)画像データでの根尖病変ならびに周囲構造の形態評価を行い、口内法撮影での検出能との関連や、その特徴や発生条件について解析を行うことを目標とし研究を行い、以下の結果を得た。 口内法撮影とCBCT撮影を行った既根管治療歯114本を対象とし、口内法撮影画像における病変の大きさと病変部における皮質骨開窓の有無についての関係について評価を行った。皮質骨の開窓の有無については、CBCT画像データを3次元画像解析ソフト(Amira5.3, Visage Imaging, Austria) を用いて評価し、開窓の有る群,開窓の無い群の2群に分類した。口内法撮影画像における病変の評価にはPAIスコア(Periapical Index)を使用し1-5の5段階で評価した。開窓の有る群と無い群のPAIスコアを、Mann-Whitney U検定にて統計学的に解析した(α=0.05)。その結果、PAIスコアの中央値は、開窓の有る群が4(境界明瞭な透過像を有する根尖性歯周炎)、無い群が2(透過像の形成を伴わない骨の構造のわずかな変化)で、両群間で有意差(P<0.0001)が認められた。その理由としては、病変部の皮質骨開窓が認められる場合、皮質骨表面の骨欠損境界部において骨と欠損部の放射線透過性コントラスト比が高くなり病変の境界が明白に写るためと考えられる。 今年度は病変部の皮質骨の開窓の有無について評価を行ったが、今後は病変の幾何学的形態ならびに皮質骨の厚みについても評価を行い研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、皮質骨の開窓の有無が口内法撮影画像に与える影響について評価を行ったが、根尖病変の三次元的幾何学的形態ならびに皮質骨の厚みについては現在解析中である。特に病変の三次元的な形態について、歯種や骨の解剖学的形態が及ぼす影響が大きくバリエーションに富んでおり、評価方法等について慎重に検討する必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、皮質骨の開窓の有無が口内法撮影画像に与える影響について評価を行ったが、根尖病変の三次元的幾何学的形態ならびに皮質骨の厚みについては現在解析中であり、引き続き研究を行っていく必要があると考えている。また次年度については、CBCTと並行してMRIを用いた画像評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究進捗状況がやや遅れており、その結果未使用分が生じている。翌年度も引き続き研究を行うとともに、学会等で研究発表を行う際に助成金を使用する予定である。
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