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2017 年度 実施状況報告書

感染象牙質モデルを用いた各種窩洞清掃剤の殺菌効果の包括的検索

研究課題

研究課題/領域番号 17K17132
研究機関大阪大学

研究代表者

廣瀬 奈々子  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10780819)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード抗菌性 / 窩洞清掃剤
研究実績の概要

本研究では、各種窩洞清掃剤の効果を包括的に検証し、その臨床的有用性を検索することを目的としている。本年度は、各窩洞清掃剤の象牙細管への浸透性およびう蝕関連細菌に対する抗菌力の評価を行った。
被験材料として、市販の窩洞清掃剤である 2% クロルヘキシジン含有の窩洞清掃剤と80% エタノールに抗菌性モノマーである12-methacryloyl oxydodecylpyridinium bromideを5(wt)%の濃度で配合した試作窩洞清掃剤を用いた。
まず、各窩洞清掃剤の象牙細管への浸透深さを評価するために、ヒト抜去大臼歯の歯冠側から2 mmの厚さの象牙質片を切り出し、リン酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウム水溶液中にて超音波処理を行って象牙質ブロックを作製した。象牙質ブロック表面に、Rhodamine Bを添加した各窩洞清掃剤を30秒間作用させた後、試料を切断してCLSMによる観察を行ったところ、MDPB含有窩洞清掃剤は2% クロルヘキシジン含有窩洞清掃剤に比べて、有意に深くまで象牙細管に浸透することが分かった。
次に、各窩洞清掃剤の抗菌力の比較を行うため、Streptococcus mutans NCTC10449に対する最小発育阻止濃度および最小殺菌濃度の測定を行ったところ、2% クロルヘキシジン含有窩洞清掃剤とMDPB含有窩洞清掃剤は同等の抗菌力を示した。
以上の結果より、MDPB含有窩洞清掃剤は高い象牙細管への浸透性とクロルヘキシジンと同等の抗菌性を有しており、象牙細管内に感染したう蝕関連細菌に対しても高い殺菌効果が期待できると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の研究実施計画に則り、各窩洞清掃剤の象牙細管への浸透性の評価および抗菌力の比較を行い、前述のような結果を得た。以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

平成29年度に得られた結果に基づいて、次年度は実際に象牙質にう蝕関連細菌を感染させた感染象牙質モデルを作製し、象牙細管内に感染した細菌に対する各窩洞清掃剤の殺菌効果の評価を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画通りに研究を遂行しているが、参加した学会が当初の計画から変更となり、旅費が計画していた額よりも少なく済んだ等の理由により次年度使用額が生じた。
次年度は象牙質内に感染させた細菌に対する各窩洞清掃剤の抗菌効果の評価を行うための試薬や器材を購入する。研究計画通りに研究を進めていくことで次年度使用額も問題なく使用することができると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Antibacterial activity and dentin bonding ability of combined use of Clearfil SE Protect and sodium hypochlorite.2018

    • 著者名/発表者名
      Muratovska I, Kitagawa H, Hirose N, Kitagawa R, Imazato S
    • 雑誌名

      Dent Mater J.

      巻: 37 ページ: 460-464

    • DOI

      10.4012/dmj.2017-294

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Influence of MDPB-containing disinfectant on bonding of self-etch adhesives.2017

    • 著者名/発表者名
      Hirose N, Kitagawa R, Kitagawa H, Mine A, Hashimoto M, Hayashi M, Imazato S
    • 学会等名
      Brazil-Japan Joint Research Workshop
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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