研究成果の概要 |
歯髄組織は、う蝕などで象牙質が露出した後も免疫応答によって不可逆性炎症への移行を抑制している。この研究では、象牙質・歯髄複合体に存在する多量な非コラーゲン性タンパク質の一つであるPhosphophoryn(PP)に着目し、PPが抗炎症能を持つかを検討した。その結果PPは、LPSに直接的に結合してTNF-α産生量を有意に減少させた。またLPS誘導による敗血症モデルマウスでは、PPの前投与はマウス致死率を有意に抑制した。さらに肝臓中の炎症性サイトカイン遺伝子(IL-6, IL-1β, TNF-α)の発現を有意に抑制した。以上の結果から、PPが炎症制御因子として機能している可能性が示唆された。
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